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Directed and Produced by
純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2002年11月のニュース一覧
▼[2002.11.30]音楽業界の皆さまにご要望
▼[2002.11.28]不審と不信の合併劇
▼[2002.11.27]ネクスト・アタック
▼[2002.11.25]64,ありきのち
▼[2002.11.24]クルーソーの真実
▼[2002.11.23]テレビの行く末行かぬ末
▼[2002.11.22]嘘のない政治を写した嘘の写真
▼[2002.11.20]世界はiPodのために
▼[2002.11.18]必要ないOS
▼[2002.11.16]尊い通信環境の舞台へ
▼[2002.11.14]ニューラルの果ては
▼[2002.11.12]iB・H"
▼[2002.11.11]旨味の64
▼[2002.11.09]グーグル・ネクスト
▼[2002.11.08]よろめきの寓話
▼[2002.11.07]つながるべき,知
▼[2002.11.06]意志のないテキストはない
▼[2002.11.04]いとしき魅力
▼[2002.11.03]おざなりなのは
▼[2002.11.01]IMステキ装置

■2002年12月のニュース一覧
■2002年10月のニュース一覧


 
[2002.11.30]
  音楽業界の皆さまにご要望


 ▼DVDフォーラム、DVDオーディオ・コンファレンスを開催(Impress AV Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20021128/dvd.htm


 ヘヘヘ,音楽業界がいつまでもいつまでも,貪欲なまでに発展していただけますよぉに。

 DVDオーディオ・カンファレンスが開催,DVDオーディオの現状や将来動向などが紹介された。発売から20年経ったCDから,セキュアで,高音質高機能なDVDオーディオに移行し,音楽業界の活性化を促したい考えだ。

 いいねぇ,DVDオーディオ。どうがんばったってあとから取って付けたコピープロテクトCDは,不作法,無遠慮,無教養の固まり以外のなにものにもならない。あと数年経てば技術が発達して問題がなくなる,というものではない。根本からダメな存在なのは変わらない。ならば捨てて,新しいメディアに移行するのが唯一の道。DVDビデオが一般化している現状では,DVDオーディオに移行し,記事にあるようにDVDオーディオ/ビデオの1チップ機器を増やせば,もっともスマートに移行がすむ。あ〜んど,もっとありがたいのは…。

 コピープロテクトCDで使われている方式はドライブ依存となっている。ダメなドライブではどうやったって再生もリッピングもできない。DVDオーディオのプロテクトは(すべては理解できていないけど),CPPMと呼ばれる電子透かし技術(暗号化によるもの,CSSの強化版)がメインとなる。結局はコピープロテクトCDのような無茶なものではなく,DVDビデオのCSSのような暗号化によるソフトウェアプロテクト以上のものは組み込むことはできない。それによってどのプレーヤーでも再生ができるのだが,ソフトウェアでのクラッキングでリッピングは簡単にできるようにもなる。いいねぇ,DVDオーディオ。早く移行してくれないかなぁ,ヘヘヘ;-P。




 
[2002.11.28]
  不審と不信の合併劇


 ▼「新しいイノベーションを起こす最短距離」和田氏(GAMESPOT JAPAN)
  http://www.zdnet.co.jp/gamespot/gsnews/0211/26/news06.html


 1+1は2以上にもなるし,0以下にもなる。引き算や割り算以上に,足し算は難しい。社会はそういうものだ。

 スクウェア社エニックス社の2社が合併に関する記者会見を行った。この合併はエニックス会長がスクウェア側に持ちかける形で実現。懸念される企業カルチャーの違いについては,違いがあるからの合併,と不安を一蹴した。事実上,世界最大級のゲームメーカーになるだけに動向が注目される。

 セガのハードウェア撤退から早幾年,突破口のないような不況に大きく落ち込むゲーム業界を象徴するかのような合併。ナムコとの3社提携があった両社だけど,合併まで行き着くという見通しは立てにくかった。スクウェアにとっては映画の失敗による業績不振が続いていた最中,今回の合併でそれを払拭できれば願ったり叶ったりだろうが…。

 合併発表までに両社の株価が上がり続けているのには,インサイダー取引などの大きな不審の目が向けられている。エニックス株は発表までに4日連続,スクウェア株は10日連続上昇している。そして,ゲームファンにとっては両社のゲームを知っていれば知っているほど,この合併への不信感は強い。両社のゲームに対するスタンスも含めて,簡単に一蹴できるような違いですむとは誰も思っていない。ネットワークゲームに多大な資金を投入できる大企業が生まれるのは喜ばしいが,話は,それだけではすまない,悪影響の方が強まることも覚悟した方がいいかもしれない。




 
[2002.11.27]
  ネクスト・アタック


 ▼バッテリー攻撃を未然に防ぐ(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/Enterprise/News/2002/Item/021125-4.html


 ウイルスやワームによるシステムの破壊なんて,かわいいものさ。ハードウェアから吹っ飛ばす,そんなネクスト・アタックが,やって来る。

 トム・マーティン教授は,バッテリー稼働のコンピュータのパッテリーを消耗させる攻撃に対する防止方法を研究している。そのような攻撃はまだ現れていないが,Dos攻撃を行うことで繰り返し要求を処理させ,その間に電池を使い果たしてしまうことや,電池を消耗するタスクを繰り返し実行するウイルスの登場などが考えられる。

 すべてのコンピュータはまだ,自家発電を行う装置を持っておらず,なんらかの電力供給を行わなくては命を維持できない存在だ。たとえばサーバーなどでも,なんらかの理由により大規模な停電が起き,予備電源装置へと切り替えられたに,電力消耗を狙った攻撃が起きたとしたら…,そのときになにが起こるか? 想像すると恐ろしい。

 さらに,他の攻撃もやってくる。たとえば現在のコンピュータのCPUは冷却装置なしでは存在できないものがほとんどだ。グラフィックカードも同様のものが多い。冷却装置が止まれば,ほんのちょっとの時間でオーバーヒートが起こり,暴走する。その攻撃を行うパラサイトボムが,ネットワークを経由して送り込まれてくる社会,はそんなに遠い未来の存在ではない。電力がなくなり,冷却もとまる,そのでも動き続けるコンピュータは,敬うべき存在なのだ。




 
[2002.11.25]
  64,ありきのち


 ▼Opinion:64ビット論争は空騒ぎにすぎない(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0211/22/n10.html


 ネットワーク上で人間の体を完全にメタファライズするには,256ビットCPUが,扉となる。たとえ誰も望んでいなくても,そこまでの進化はワイヤードのロードマップ上にある。

 32/64ビット技術ハイブリッドで牽引役になることを狙い,AMD社コムデックス/秋でラウンドテーブルセッションを開いた。だが私たちは今,64ビットCPUを必要とはしていない。まず64ビットコンピュータありき,という空論にすぎない。

 AMDが64ビットのことばかり口走るのは当然,作戦だ。AMDはチッププロセスの変更により,若干インテルよりも低いプロセッサスピードを余儀なくされている。「2700+」として2.7GHzと同等の能力を持つと訴えているが,実際のクロックスピードを聞かせてしまうと低いレッテルを貼られてしまう。ユーザーはそのレッテルを重視する。IBMやモトローラのチップも同じくいくら能力が高くても,クロックスピードが低ければその能力を信じてもらえない。能力よりも,数字の方が大事。だから,32ビットではなく64ビットを押す。押し続ける。それが市場で勝つために唯一必要なこと,とAMDはわかっている。

 実際のところ,64ビットを必要としている人は,記事にある通りコンシューマーにはいない。だが,アップルが再来年にはすべて64ビットに移行すると予想できるのは,それがいつものことだからだ。8ビットのときに16ビットにならないとなにもできないと思っていた人間はいなかった。16ビットから32ビットのときもそうだ。またはまったくの別物として利用されていた。NECのPC-88でゲームをしていた人には,PC-98の事務処理能力はてんで必要なかった。そして今も,すべてがネットワーク端末でしかないパソコンで,同じ用途でのステップアップとなる64ビットはあまり魅力がない。でも,それでしか拡張できないことがある。そのときの未来に向かって,64ビット化は必然なのだ。




 
[2002.11.24]
  クルーソーの真実


 ▼Transmeta、新プロセッサ「Astro」披露(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0211/20/nebt_01.html


 インテルやAMDとは根幹が違う,ソフトウェアCPUという発想は,省電力,低熱,小型化,コスト減,のすべてを推進する。数年後,手の中に収まるネットワークデバイスが一般的になって,やっとクルーソーは本領を発揮できる。

 トランスメタ社コムデックス/秋で2003年投入予定の新設計プロセッサ「アストロ」(クルーソー TM8000)を披露した。アストロは現行のクルーソーチップよりも消費電力が少なく,パフォーマンスは大幅に向上している。

 PC不況のなかで,製品出荷の遅れ,製品リリースのミス,人員削減など,あまりいい話をきかないトランスメタだが,それでもやはりトランスメタの持つ能力を買いたい。ちょっと先の未来,小さな小さな,握りしめると壊れてしまうような機器がネットワークの入り口となる。その中,にあるべきプロセッサのヒントはクルーソーが持っている。そう考えると,クルーソーの登場はあまりにも早すぎたことを知る。

 28年間も無人島で暮らし,戻ってきてからトントン拍子に大富豪になってメデタシメデタシなどというロビンソン・クルーソー漂流記のようなことが現実にあるわけがない。28年後にタイムスリップして,なにも不自由なく暮らせるわけがない。ならば,数十年か先には普通の設計となるCPUを現在持っているクルーソーにも,もうちょっとの時間が必要だ。すでに街角のホットスポットなど,クルーソーのホームゲームとなる環境は現れつつある。その先の未来に,クルーソーの真実がある。




 
[2002.11.23]
  テレビの行く末行かぬ末


 ▼COMDEXの亡霊に取り憑かれ……(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0211/22/cead_kovsky.html


 どんなに遠回りしようと,行き着く先は変わらない。IP上のネットワークにしかない。テレビが今のままネットワークに行かなければ,ネットワーク上に生まれたテレビに食われて終わるだけだ。

 今年のコムデックス/秋ではマイクロソフト社のウインドウズXP・メディアセンターエディションが興味を引いた。パソコンでビデオレコーダに変えるウインドウズXPのバージョンだ。TiVoなどで市場があることは明らかだが,XP・メディアセンターには課題もある。スイッチを入れたら2秒以内にテレビ画像が表示される必要があるだろう。

 ウインドウズXP・メディアセンターエディションが最良の選択肢とは思えないけど,実際のところ,日本でのキャプチャ製品の隆盛を考えたら,ゲイツ氏の発言は予言でもなんでもないと思う人が多いだろう。テレビがパソコンに取り込まれる,そしてネットワークとつながる,というのは当然のこと。日本のテレビ関係者はお気楽なものだ。米国ではすでにそれに対するコピープロテクトCD並みにへたれな規制であるコンシューマ・ブロードバンドおよびデジタルテレビジョン・プロモーション法での議論があった(過去記事)。

 どうせキャプチャされてネットにアップされるんだから,さっさと広告の料金体系を整えて全部ストリーミングで流せよ,となにも考えずに云う。地域限定のメディアなどに文化を語る資格などない。音楽も動画も,ネットワークにあって初めて存在意義がある。もう行き着く場所が決まっているのだから,がたがたとわけわかめなことをしているようなら一度死んで出直してもらった方がよい,そっちの方が早い。あとはアップルがiTivoを出すだけだね(^^ゞ。




 
[2002.11.22]
  嘘のない政治を写した嘘の写真


 ▼インターネットで広がるデジタル加工写真、政治にも影響?(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20021120202.html


 嘘のない政治を写した嘘の写真があるという。ん? そんな政治は嘘に決まっている? 「政治家に正直や清潔を求めるのは八百屋で魚をくれというのにひとしい」(秦野章元警視総監)。

 政治家が間の抜けた行為をしている嘘のデジタル加工された写真は,政治への意見表明の1スタイルとして流行しつつある。だがあまりにも数が増えることで,数年後には誰もが写真を無視するようになるとも云われる。

 嘘の言葉を簡単に信じる人が多く,100%嘘の噂話がいつまでもメールを介して行き交い,掲示板でまことしやかに語り続けられる。ネットとは根っからそういう場所だ。そんなんなんだから,嘘の画像を本当のものとして信じてくれちゃうような人は,結構な数がいるのかもしれない。だが,いまのところは悪意を持った嘘写真というのは少ない。みたらすぐに,あっ加工されたものだ,とわかるものだから悪影響など起きない。今までのコラ写真,コラ画像はそんなものだった。

 だが,もっとうまくやれば,歴史の教科書に残るような写真,社会・世論を変化させるような写真を作ることもできるはずだ。新聞に載っている,ウェブに掲載されているすべての写真が人工的に作ることができるものなら,その写真を引用した人工的に作ったニュースなど簡単に作れる。嘘をつくことでなりたつのが政治の本質であるのだから,政治とネットはもっと密接になっていい,数年後には…。ネットで嘘を流せない政治など政治とは呼べないよ。政治家は今日からフォトショップの勉強でもしなきゃね;-P。




 
[2002.11.20]
  世界はiPodのために


 ▼世界中に出没する『iPod』の写真を展示するウェブ・ギャラリー(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20021118205.html


 世界の果てまでも持ち運ばれるiPodにまず必要なのは,動画よりもネットワークかもしれない。

 iPodラウンジというサイトは,世界中のさまざまな場所で撮影したiPodの写真を展示している。写真は,世界中の60近い国々から送られてきた。他のデバイスを使い,このサイトを真似たサイトも登場している。

 楽しい(^^ゞ。もちろん他のどの携帯型MP3プレーヤーでも同じことはできるんだけど,iPodしか持っていない存在感が写真を際立たせている。「知らなかったのかい? 世界はiPodのためにあったんだよ」というセリフを考えつく,楽しさ。

 MPEG4動画をみることができるiPod 2の話は昨年末ぐらいからあったが(過去記事),それはそのうちあるものとして,本当に必要なものは他にある。当然,ネットワークだ。近い将来,音楽はローカルにあるものではなく,ネットワーク上にあるものになる(動画もファイルもソフトもだけど)。ネットラジオという存在が「常」になる。近々リリースされるランデブーによる遠隔ファイル演奏が可能になるiTunes 4からも,iPodのネットワーク化は必然だ。iPodが,世界のどこにいてもネットラジオを流し続ける様子は,動画よりも私には魅力的。「世界はiPodのために」。iPod with AirPort,with Bluetooth,with Rendezvousが,そこに必要だ。




 
[2002.11.18]
  必要ないOS


 ▼Opinion:企業を狙うOS X(ZDNetエンタープライズ)
  http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0211/13/n24.html


 OS 9とは,すでに思い出の存在でしかない。それ以上である必要も,すでにない。

 アップル社のOS XサーバーはフリーBSDをベースにしており,かなり信頼できそうだ。そしてBSDの難解さに対処する点で,得意のGUIツールを含められるアップルは理想的な企業といえる。ユニックスの敷居を低くすることに関して,アップルはレッドハットよりも有能だ。アップルには,マックのインターフェイスを利用して,ユニックスを使いやすくする自由がある。

 記事とちょっと離れる話になるが,マックOS 9はもうゴミ箱に捨てていいOSだ。アップルにはもう最低限以上のサポートをする意味も義務もない。使い続けるユーザーがいるのは勝手だが,なにかを期待するのは間違っている。それはただのわがままだ。もうOS 9は必要ない。OS 9に必要なのは燃えないゴミの袋だけだ。

 OS XやOS Xサーバーの作りをみて,OS 9を作っていたアップルの姿などどこにもないことに気付く。アップルは変わった(過去記事)。OS 9を作っていたアップルの根幹は,どこにも残っていない。そしてOS XもOS Xサーバーも,過去のOS 9を使っていたユーザーなど必要としていない。OS XとOS 9を比べることも間違っている。違うものだからだ。同じものを求めることも間違っている。開発者向けにOS 9の死を宣告してから半年(ZDNet Newsの記事),ゴミはもう燃やし尽くされたころである。




 
[2002.11.16]
  尊い通信環境の舞台へ


 ▼「真の相互接続」には、なお遠いIP電話サービス(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/Infostand/Item/2002-1115-J-5.html


 すべての欠点はNTTに帰結する。公的存在から出発した責任感のなさ,なにも競う必要がないやる気のなさ。それによって失われたものは多大だ。NTTがいない通信環境が整ってこそ,やっと未来は整う。

 IP電話は,メガコンソーシアムがKDDIと日本テレコムのインフラを,「NTTコム,ニフティ,SCN」グループはNTTコムのインフラを,BBフォンはヤフーBBのインフラをバックボーンとする。他にも独自インフラでのサービスを開始しようとしているところがある。だが,違うインフラ同士では提携がなければ相互接続はできない。

 実際のところ,相互接続のための問題となっているのは,記事内にある「技術的,コスト的」課題ではなく,メンツ,プライドの問題でしかないだろう。ヤフーBBに協力するような相互接続の協定を結ぶなどまっぴらごめんだ,と思っているプロバイダーは多いはず。ユーザー主導で動いていない企業論理ばかりが目に付く。だが,IP電話がメインストリームとなるのは,必然である。すべてはIPに乗る。音声も音楽も動画も,社会にあるものはすべてIPに乗る。この必然定理は崩れない。絶対に。なら…。

 現在はADSLも含めてまだ電話線に頼っている部分が多いが,シェア拡大が著しいヤフーBBや電力系会社などが独自回線による光接続を一般的にさせたとき,日本の通信はやっとNTTからの呪縛を解かれ,尊いものになる。IP電話も当然それについてきて,固定電話を瞬殺する。そのときやっと,日本という国の通信環境はまともなステージにあがることができる。そのために,今はプライド争いを優先するときではない。




 
[2002.11.14]
  ニューラルの果ては


 ▼世界のインターネット利用人口は6億人を突破 - 地域別の格差は歴然(MYCOM PC WEB)
  http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/11/11/14.html


 ニューロンから伸びて他のニューロンとの結合を行うシナプスは,そのままワイヤードプロトコルの姿と類似する。6億の人の脳をつなぐシナプスは,今後も暴発的に増加していく。_つ_な_が_ら_ぬ_ニ_ュ_ー_ロ_ン_は_存_在_し_な_い_。

 世界のインターネット利用人口をまとめた調査レポートによると,2002年9月末現在の利用者数は全世界人口の1割を占める6億560万人となっている。ただし,利用者分布は北米・欧州・アジア太平洋地域に極端に偏っている。

 人間は一生に6億回ほど呼吸するという。6億回のなかには,息も切れ切れにものすごい早さで息をするときもあるだろうし,ハッと息を飲んで呼吸をせずに過ごしている一瞬もあるかもしれない。そして哺乳類の動物はいずれも6億回ほど呼吸をすると死ぬ。速く呼吸をするものは早く死ぬし,ゆっくり呼吸するものは長く生きる。

 6億という回数を数えて,数え終わったら死ぬように,ネットワークにも飽和状態となる数があるかもしれない。それはきっと人間の呼吸の数などよりははるかに多く,脳内のニューロン(神経細胞)の数かもしれないし,シナプスの数かもしれない。…脳内でニューロンによって作られているニューラルネットワークと,ワイヤードのネットワークが同じ接合数となったとき,おもしろいことが起こるんだ。そしてそれは,遠い未来の話ではない。ないんだよ。




 
[2002.11.12]
  iB・H"


 ▼富士通、USB接続小型Air H”端末H-F401UをMac OS X 10.2.1に対応(RBB TODAY)
  http://www.rbbtoday.com/news/20021108/9337.html


 エレガントであるiBookのいちばんの弱点は,まともなモバイル接続環境がなかったこと。いま,すべてのiBookは街へ出るべきだ。

 富士通社は,DDIポケット社のAirH"に対応したUSB接続型端末「AH-F401U」をマックOS Xに対応させた。PCカードスロットを持たないiBookユーザーからの関心は高く,注目を増すことになるだろう。

 と,いうことで手元のiBook(最新のではないです,2つ前のビルド)と買ってきたAH-F401Uをつなげてみた(ph1ph2ph3ph4ph5ph6ph7)。デザイン的にはあまり合ってはいない。とことん柔らかいiBookのデザインに対して,AH-F401Uはちょっとごつごつしている。が,まぁそんなに云うほどでもない。ph1やph2をみて感じるかもしれないが,USBに差したときのこのAH-F401Uの出っ張りはなにかぶつかりそうで結構恐い。で,ph3のようにキーボード側に倒すとちょうど「shift」キーや「control」キーが隠れてしまう。なのであまり倒すこともできない。だがまぁそれも,出っ張りになにかがぶつからないように気をつければすむことだ。

 私のiBookにはOS9環境がインストールされてないので,デスクトップでまず準備をしなければいけなかった。OS X環境だけでは,AH-F401Uを使うことはできず,かならずOS 9環境が必要だ。OS 9上で,ファームウェアのアップデートをし(しなくてもいいかもしれないがしといた方がいいだろう),続けて動作切り替えツールで「ウインドウズ / OS 9」から「OS 9 / OS X」に変更する。これをしないとOS Xではダイヤル時にモデムのリセットが延々と続いて接続できない。この準備を終わると,やっとOS Xで使用できる。まだ接続切断時にまごついたりして,モデムスクリプトがこなれていない感じがするがぜいたくは云わない。128kbpsのAirH"の接続で,実際の速度は40kbpsから80kbpsの間ぐらい。56kbps用のネットラジオ(itoTunes)は若干途切れがちだが,そこそこ聴くことができた(ph8)。iBookがやっと動き回れるノートになったようで,うれしい。




 
[2002.11.11]
  旨味の64


 ▼PowerPC 970 Presentation PDF(MacRumors.com)【英語】
  http://www.macrumors.com/pages/2002/11/20021109083345.shtml


 パワーPC 750(G3)でのポテンシャルと,パワー4の力量を兼ね備えた,おいしい具材。

 IBM社がパワーPC 970のプレゼンテーション用PDFファイルを掲載した。パワーPC 970についてオフィシャルで出ているほとんどの情報が含まれる。このプロセッサは2003年暮れに出荷予定。

 なんと云うかよだれが出てたまらないというプロセッサだが,実際に旨味は多い。パワー4プロセッサの強みの部分を多少は殺している部分もあるが(PDF13ページ目),それ以上に互換性の高さを感じ取った方がよいだろう。32ビットのアドレス空間すべてに互換性があることで,コンシューマーユーザーが感じる不満はかけらもなくなる(OS Xへの大きな移行を遂げたあとなので,それは必要不可欠だ)。インテルがその点でユーザーの不満よりも性能を重視した展開を図っているのも,利点はあるが反発は強い(特にx86の場合は…)。AMDは互換性を高める64ビットモードを掲げているが(x86-64),それでは性能面で若干二度足を踏むことになる。

 もともと32ビットとの互換性で,性能鈍化が少ない設計にできるパワーPCの強みがそこにある。32ビットのアドレス空間すべてに互換性があり,それによって現行のパワーPCアプリケーションをすべてサポートできること,また,低消費電力,サイズの小ささ(PDF5ページ目)もあるので,ノートも含めてアップルのマックはすべて一気にパワーPC 970に置き変わる可能性もある。2004年1月のサンフランシスコのマックワールドエキスポの前後はかなり慌ただしいことになるだろう。旨味は,味わわれるためにある。マックハードウェアにこの大きな旨味は欠かせない。




 
[2002.11.09]
  グーグル・ネクスト


 ▼Opinion:実際に役立つ検索エンジンを探し求めて……(ZDNet エンタープライズ)
  http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0211/08/n12.html


 「ページ」を信頼した他の検索エンジンより,「人間の行動」を信頼したグーグルの方が使いやすいのは,利用者の数で証明された。では,その上を行くには,なにを信頼したらいいの?

 すぐ人に訊きたがる同僚やあなたも含めて,検索エンジンの性能には苦慮している。ウェブの情報と云うのはきちんと構造化されてなく,そのなかで必要な情報をすぐにみつけられるのは不思議なぐらいのことだ。

 グーグルに関するニュースがあれこれと出ている。グーグルばかりに利用が集中するのは危険だとか(ZDNet Newsの記事),ヤフージャパンと有料掲載サービスで提携するかもしれないとか(CNET Japanの記事),ドイツなどでナチス関連サイトを結果から取り除いているとか(Impress INTERNET Watchの記事)。グーグルが「検索エンジン」と同義になっている証と云えばそうなのだろう。だがそのグーグルでも,役に立つ検索エンジンとは思えない,という人もいるようで…。

 グーグルの長所はリンクの数,リンクの内容,ページの格付けという非常にシンプルな内容を検索結果に重視している点だ。リンクをするのは人間(そのリンクに使っている言葉をキーワードとして信じる),面白いページをみに行くのも人間(たくさんの人がリンクしているページに書かれている言葉は価値が高いと信じる),ということで,それらの人間の行動を検索結果に持ち込んでいることで支持を得ている。よくよく考えてみるとなにかとてつもない機器を利用しているわけでもなく,テクノロジーを駆使しているわけでもない。人間の行動を重視しているだけ。グーグルがあまりにも力を持ちすぎているのなら,別なスタンスで検索結果を形作る長所を持った検索エンジンの登場が待たれる。案外,簡単なことを応用することで,それは導き出されてきそうな気も…。




 
[2002.11.08]
  よろめきの寓話


 ▼ロビイストが米政府のUFO調査資料公開を請求(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20021029203.html


 ときに,事実を覆す寓話も,存在する。

 元連邦議会職員で現在はロビイストのエドウィン・ロスチャイルド氏は政府に対し,UFO墜落現場で集めた秘密の証拠物件を開示するよう求めている。さまざまな裏事情がありそうだが,ロスチャイルド氏はUFOに対するメディアの懐疑的な見方が議論を台無しにしていると云う。

 現在のネットワークと米国政府によるUFOに関する情報の隠蔽は,密接につながっている。1952年に作成されたアイズオンリー書類であるマジェスティック12(MJ-12)文書は,経路不明のまま35年後に流出し,現在も都市伝説に似た不可解な領域の話として残っている(MJ-12文書.txt)。そのMJ-12文書を作成したメンバーの筆頭が,現在のウェブの原形とも云っていい「記憶の拡大構想(メメックス,MEMEX)」を示したヴァニヴァー・ブッシュだ。そしてそのブッシュに学んだのが,ザナドゥ構想を表したシオドア・ネルソン,ハイパーテキストを具現化したテッド・ネルソンである。現在のウェブの基礎理論に,この3人は欠かすことができない。

 ヴァニヴァー・ブッシュは,1930年代からMEMEXをあたため,1945年に発表した。1952年にMJ-12文書が作成され,そしてその後,インターネットは破格的なスピードで張り巡らされ,リアルワールドを覆すほどの力を持とうとしている。そこになんらかの寓話を想い馳せるのは簡単だ。なぜ,これほどまでにネットワークが深く,心底深く存在しているのか? まともな答えなどなさそうなこの問いは,UFO,地球外生命体の話を絡ませるのにちょうどいい。




 
[2002.11.07]
  つながるべき,知


 ▼情報を結び付けるツールが登場(asahi.com)
  http://www.asahi.com/english/svn/gillmor/K2002110200303.html


 ローカルのパソコン,ローカルの人の頭にある情報には限りがある。ノーベル賞受賞者の頭だって,たいした量は詰まっていない。だが,すべてのファイル,頭の情報がつながると,世界は変わる。変えることができる。

 グロクシス社のグロッカーという製品は,ウェブサイトとハードディスク内のファイルを横断的に検索し,円グラフで知識の地図をつくり,探している情報をみつけやすくしてくれる。このような情報を効率的に処理するためのツールは,今後より登場するだろう。

 ウェブにはリンクがある。すべての情報は共有され,補完されることを許している。関連する情報へのリンク,補完する情報へのリンク,または反対の見解へのリンクを付け加えることで,知は広がる。世界はひとつでないことを知る。情報を引き出す検索エンジンと,リンクとで,すべての知はつながる。これは,人を変える,革命的アクセルである。

 なにもつながる手段を持たない音楽や動画はかたわと一緒だが,ファイルの形で共有されてはいる。WinMXなどではあれこれファイル名にキーワードを詰め込んで検索に引っかかるようにしているけど,あまりスマートなやり方ぢゃない。ID3タグのようなものをピックアップし,検索に引っかけるというのが妥当なのだろう。それによって,ネットワーク上にあるすべての音楽がつながったら,音楽への興味を最大限に引き出せると思わない? 音楽も動画も,すべてはつながる必要がある(その弊害となるべき著作権は要らない)。拒絶するものに,未来はない。(ニュースネタ元:音楽配信メモ




 
[2002.11.06]
  意志のないテキストはない


 ▼偽情報を転送するのは止めてね(@IT)
  http://www.atmarkit.co.jp/news/katt/2002/katt13.html


 CDが売れていないという理由でコピープロテクトを正当化しようと云う企業,音質が悪くなるからコピープロテクトCDは許せないというユーザー,ネットワークで情報の共有はとどめることはできないというユーザー(…私だ),みんながみんな,どーでもいい,事実っぽいことで自分の意見を塗り固めようとしている。どれも真実では,ない。

 ジャンクメールを調べ,その正体を暴くデビッド・エメリーのウェブサイトは絶対に存続して欲しいサイトだ。人々は印刷物でもオンラインの情報でも,自分が読んだものを信じ込み,友人に転送する傾向がある。だが転送するのは,笑えるジョークかちょっと品のないJPEGだけにしといた方がいい。

 ウェブページは星の数ほどあり,さて,疑うべきもない真実はどこにあるのか,というのは難しい質問だ。すべてのテキストには,個人の意志・意見が込められている。書かれたその時点で,第3者的なものの見方で作られたテキストと云うのは存在しない。新聞は「事実を報ずるもの」と思っている人がいるかもしれないが,意見を持たないテキストなんか存在しない。その新聞がどういう立場なのか,をきちんと理解して読まなければ,ただ洗脳されていくだけになる。

 さまざまなIT系のニュースサイト,個人の行っているウェブログも同じだ。コピープロテクトCDに対する公式のサイトの理由付け,あちこちの個人サイトによるそれの転載や意見などをみていれば一目瞭然。実際にCDが売れてるか売れてないか,音質が悪くなるかよいままか,などは,どーーーでもいいことだ。本当のこと,事実真実はあっても意味がない。今は,レコード会社も含めて個人の意志だけで殴り合いをしているだけ。それに乗っているレコード会社のバカさ加減も呆れるが,ただひたすら,みててつまらん。(なら読むな。




 
[2002.11.04]
  いとしき魅力


 ▼DellがAppleのiPod販売(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0210/31/nebt_09.html


 『包帯に包まれた彼女の痛々しさよりも,今は私の心の痛さの方が大きかった。今まで私はなにを知っているつもりだったのだろう? 優しさとて,いとしさとて。』

 デル社アップル社の携帯音楽プレーヤー,iPodのウインドウズ版の販売を始めた。アップルにとってはデルのオンラインストアが魅力であり,デルにとってはiPodの魅力が大きいため,ライバルの利害を越えて両者の思惑が一致した。

 iPodの魅力は目にみえないところにある。目にみえるもの,と云うのは,いつでもなんでも些細なものだ。外観は気になる大切な要素のひとつであることは否定しないが,唯一無二の要素とはならない。ウインドウズ版でどこまで再現されているかはわからないが,マックのハードウェア・ソフトウェアとの圧倒的な統合性,パソコンからそのまま戛然と音楽プレーヤー部分を取り出した包容力,それらは確かな唯一無二の要素となっている。

 『彼女が見た目を失ったのは,冬の風に襟元を直すような季節だった。そしてそのときまで,彼女のうちに秘めた魅力に気付かなかった私は,自分を責めてしかるべき存在,と云っていいだろう。すべてを包み込む包容力,手を触れるだけで思いのすべてを気付いてくれる優しさ,存在のエレガントさ。なにもかも,今はすべてがいとおしく感じられる。なぜ,あのとき私は気付かなかったのか? 愛すると云うことは,相手のステキな部分をひとつひとつ知っていくことだと云うのに,あのときの,私は?』




 
[2002.11.03]
  おざなりなのは


 ▼Opinion:ZIPで自爆(ZDNet エンタープライズ)
  http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0210/29/op01.html


 郵便でも封筒のなかから怪しい物体が出てきたら注意するのが当然。でもパソコンで,たったそれだけのことをしていない人は多いようだ。おざなりになっているのは,そういう人の頭なのだろう。

 ラピッドセブン社の発表したZIPのファイル名処理に潜む厄介な特性によって,長いファイル名を付けられたウイルスをZIP圧縮した場合,ウイルスがウイルスフィルタを通過してしまう。重要なソフトウェア製品のアップデートサービスでもこのZIP特性を使っているものがたくさんあるため,厄介な問題となっている。

 ウイルスのファイルを持っている人なら,そのウイルスファイルのファイル名をとても長い名前にし(半角100文字ぐらいにすれば申し分ない),それをZIP圧縮する。するとそのZIPファイルはウイルス対策ソフトのウイルスチェックにはなんの反応も示さない。WindowsXPでは標準の機能で,ZIPファイル内のファイルにアクセスできるのに,だ。

 企業などではメールサーバー上でのウイルスチェックを強化し,デスクトップはおざなりになっていることが多い。水際でウイルスはすべて阻止できているから,パソコンを使っている人は安心,ということだ。だが今回のケースではすべてのウイルスが簡単に入り込んでくることになる。おざなりになっているのはやはりパソコンを使っている人の能力であり,ZIP圧縮を解凍して妙に長い名前のファイルができたらやばい,ということを知ってさえいればなんてことない話なのだが。世界中にあるZIP解凍に関するツール・DLLがこの問題に対応するには,とてつもない時間がかかる(多くのオンライン・アップデートを行うソフトに影響があるので解凍ツール・DLLの改訂は遅々として進まないだろう)。そこに,あなたが作ったウイルスが繁殖できる土壌がある。日本語の2バイトファイル名はただでさえ長くなるので,自然さを醸し出せそうだね;-P。




 
[2002.11.01]
  IMステキ装置


 ▼AIMとICQの相互運用、ついに実現へ(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0210/30/nebt_09.html


 ICQは,I seek youの語呂合わせから生まれた言葉だった。ダイヤルアップが一般的だった時代が終わり,携帯電話と云うIP機器が今後さらに加速していく今こそ,評価されてしかるべきものだ。標準的なステキ装置として。

 AOL社は,AOL・インスタント・メッセンジャー(AIM)の次期バージョンで人気の高いICQと相互運用性を持たせる方針を明らかにした。AOLは,AIMの開放を拒んでいたが,それは業界から批判を浴び,当局による調査対象ともなった。

 やろうと思えば大掛かりな対応が必要なことではない。もともとICQはAIMの土台となっているもの(ICQ社は99年にAOLに買収された)。MSNも加えることもできるだろうが,それは必要ない,ということか。実際,マックのiChatがAIMに乗ったことと,今回のAIMとICQのリレーションシップは根元は一緒。対MSの手段としてなりふり構わぬ,ということかもしれない。

 だが本来であれば,IMはなんらかの標準規格があってもよさそうなものだ。すべてのIMアプリケーションがそれに基づき,携帯電話などにもそれにのっとったアプリが作られれば,ステキな装置となるだろう。IPを回路としない音声電話とは,旧時代の石器のようなものだ。取って代わる,IMがきちんと用意されれば,駆逐される。




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